

- 2021年3月28日
だれのために、なんのために
*Photo; ACE Hotel, NY ブランディングのためには「我々はだれのために、なんのために存在するのか?」を明確に意識することがとても大切です。ルイヴィトンは「旅をする人々のために、堅牢なトランクにより、その持ち物をしっかりと守るため」生まれました。シャネルは「女性たちを因習から解放するための表現方法、ライフデザインのために」生まれました。スターバックスは「日々を忙しく生きる人々のために、自宅と仕事場以外の場所を提供することにより、その人なりの豊かな人生を育む」ために生まれました。 さて、この命題の設定、簡単なように見えて意外と難しいです。マーケティングでよくやるペルソナの設定に近いように感じるかもしれませんが、「どこにターゲットがいるか」の視点から始めてしまうと、とても平板なものになったり、逆に複雑になったりで混乱をきたします。ブランドを共に作ろうとするチームに説得力をもたせ、まとめるために知恵を絞ることになります。 これからの時代には企業単体の活動ではなく、柔軟性のあるエコシステム(協業)の活用によるブランドの誕生も予想されます。


- 2021年3月14日
経営者の皆さん;ELLEやVOGUE がおすすめです
*Photo; Piazza San Pietro, Vaticano これからの世界を牽引していくのは、良き経営者・経済人の役割となる、と先日書きました。そんな未来を担う方々におすすめしたいのが、VOGUE や ELLE などの女性ファッション誌を、月に一度で良いので手に取って読み込んでみることです。 皆さん、もちろんビジネス関係の書籍や雑誌はご覧になられていると思いますが、それだけではカバーできない経営・マネジメントに有益な部分にまで視野を広げてくれるのが女性ファッション誌です。いや、本当に。 かつてナイキのクリエイティブにも関わっていたクリエイティブ・ディレクター、ジョン C ジェイ氏も「自分が携わるマーケットを知るには、普段自分では付き合わない、そのマーケットの中にいる人々と交わることが必要だ」と語っています。(先日のオードリー・タン氏の話にも通じますね) ファッション分野でのビジネスに限らず、広く経営者の方々にVOGUE や ELLE をお勧めしたいのは、もちろん世の中のトレンドを掴む、ということもありますが、とても充実したインタビュー


- 2021年3月7日
オードリー・タンに学ぶ共感のつくりかた
*Photo; London 台湾のコロナ封じ込めに大きな役割を果たしたオードリー・タンさんのことをご存知の方も多いのではないかと思います。早期のマスクの供給を可能するための仕組みを、フリーのシステムエンジニアたちを巻き込みながら迅速に立ち上げました。 ブランディングにおいて「ビジョン」を明確に掲げることが必要であることは何度も述べてきましたが、そのビジョンは、他者からの共感を得ることで大きなパワーと価値を持つことになります。 そのためのヒントが、オードリー・タンさんの行動哲学の中にたくさんあります。 まず彼が成功の要因の一つとしてあげているのが「政府と国民との信頼関係」。政府の保険システムの運用や改定プロセスが常に透明化されていたから、と述べています。 次に「プログラム開発者が、使用者の側に常に寄り添っている」こと。高齢者も含む、なかなかデジタルを使いこなせていない人たちにとって「なぜ」使いにくいのか、を理解するために、プログラマーをそうした人たちの集団の中に送り込んで、その感覚を明確に理解できるようにした。 さらに彼は、これからの世界を読み解