

- 2021年6月27日
「安全」と「安心」は別物なのです
*Photo; NY 最近よく目や耳にする「安全安心」ですが、これを目にするたび、耳にするたびに何やらムズムズします。 言葉が空虚になった、と言われてもう7〜8年たちますが、その傾向はますます強くなっている印象があります。何を信じていいのやら〜、はぁ〜東京音頭〜です。ついでに頑張れスワローズ!です。 と言っていても始まりません。ブランディングにおいても言葉は重要な役割を果たしてくれます。そこで、今日はこの「安全安心」を入り口に、言葉の力と役割について少々考察をしましょう。 「安全」とは客観的な事実に基づくものでなくてはならず、「安心」は人々の感情の動き、つまり主観を表現しています。もう少し詳しく言えば「安全」は提供する側の責務である一方、「安心」は提供される側の感情で、別軸に存在する言葉です。 ですから、安全であれば安心、という図式は必ずしも成り立たないのです。 かつてボクが某流通大手さんのブランディングをお手伝いしている時に「安心は安さと心でできている」という素晴らしいコピーを、当時お願いしていたコピーライターのAさんが生み出してくれました。メ


- 2021年6月6日
沖縄にあった「ビジョンってこうやって活かすんだ」の事例です
*Photo; 首里城, Naha ブランディングにおいて重要な『ビジョン』が、ビジネスの発展にどんな役割を果たすのか。それを理解するための、とても良いケースをご紹介します。 沖縄セルラー電話さんという会社があります。 KDDIさんの沖縄地区の地区会社、と言えばわかりやすいでしょうか。au などの携帯電話ブランドも扱っています。NTTをはじめとした通信会社は通常、九州支社などが沖縄を担当するのですが、沖縄セルラーさんは単独の総合通信会社という立ち位置を取っています。 KDDI 創業者である稲盛和夫さん(ボクが最も尊敬する日本の経営者の一人です)の「沖縄の発展に寄与したい」という思いが設立の背景にあります。理念の最上位に稲盛さんのことばである『心を高める』〜動機善なりや、私心なかりしか〜を頂き、沖縄の発展に貢献することを経営方針の中でも大切にしていらっしゃいます。 さて沖縄セルラーさん、とてもユニークなのはICTの技術を活用したイチゴやマンゴーなどの栽培を行って販売していることです。これは、台風など気候の影響によって度々起こる、新鮮な果物の供給の停