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『ブランドらしさ』のつくり方


*Photo; New York, 5th Ave.


ブランドらしさ。突き詰めていうと、ブランディングのはじめの一歩、ってこれをつくり出すことです。


ボクがローンチをお手伝いした、今ではすっかり人気になった某有名コスメブランドでも、商品やウェブ開発、あるいはコラボレーションの企画などを検討する際には、スタッフの間で「これは〇〇(ブランド名)らしいかな?」という会話が飛び交うと聞きました。大元のコンセプトを作った人間として、とても嬉しい状態です。これが「ブランドらしさ」が血肉となっている基本の姿です。


ビジョンやミッション、そしてクレドなどを掘り出し(つくり出す、というよりも、ニュアンス的には「掘り出す」の方が近いです)、言語化する。それを社員の皆さんが納得し、共感するまで揉んで揉んでまた揉んで〜、を繰り返します。

そうやって、まず第一ステージである「身内でのブランド価値の共有=コンセンサスつくり」ができてきます。


そうしてようやく、ビジネスに直結する外部=顧客や社会とのコンセンサスつくりが始まります。

対外的なコミュニケーションの始まりです。ここでいう「コミュニケーション」は、単に広告やPRなどに限らず、ブランドのボディ・ランゲージともいうべき商品作りや店頭でのカスタマー・エキスペリエンス(平たくいうと、お客さまが店頭に来てどう感じるか、のストーリーつくりや演出)の創造までも含みます。


では、ブランドらしさを感じてもらうためのコミュニケーションはどうあるべきか。

それは、随所に「ブランドの意志」を感じること。

決して難しいことではなく;

・事実の切り取り方

・言葉の選び方

・話しかけるトーン

つまり、ボクたち人間が、ひととして何気なくやっていること、そのものです。


・とても便利!

・とっても早い!

・とにかく安い!

お客さまが喜びそうな事実(らしきもの)ばかりに囚われると、他者(社)と同じになっていく。

当たり前、ですよね。


「便利」ひとつ取っても、なぜこの便利さをあなたにお薦めしたいのか。この便利さは、あなたに「どんな幸せ」をプレゼントできると私たちは信じているのか。

そこまでをしっかりと考えていけば、おのずと言葉の選び方、話しかけるトーンはできてきます。もちろん、簡単なことではありません。なにしろ、これをチームでやらなくてはいけないのですからね。


そこで、ビジョンやミッションに立ちかえってひとつひとつ考え抜くことによって「ブランドらしさ」ってできてくるんです。


ちょっと話が飛びますが、東京の青山神宮外苑の「杜を潰しても木の本数が増えれば快適ですよね」としか聞こえないプロジェクトは、坂本龍一さんや村上春樹さんも表明していることと同じ理由で、ボクも個人的には賛成しかねています。未来に残そうとしている価値が見えないです。


ブランディングに携わる人間として残念に感じるのは、推進している企業が掲げているビジョンと、やろうとしていることとの整合性を見出すことができないことです。


せっかく決めたビジョンやミッション。事業を企画・計画・推進する際に、しっかりと振り返ってこそ価値が生まれるものです。ビジョンはファクト(事実)が伴って初めて命をもちますから。

あるいは、そこに嘘がないのであれば、しっかりとその文脈で説明をしていただければと願っています。

こうしたことで企業価値を下げてしまうことになるのは、企業にとっても社会にとっても、そして未来を楽しみにしようとしている子どもたちにとっても、良いことではありませんからね。


さて、今日の写真もNew York Street Snapシリーズからです。

トップの二人。くうう、良い表情していますよね。ボクがシャッターを切った後、このお二人、ボクを見てにっこりと微笑んでくれました。今日も五番街で楽しい会話を交わしているかもしれませんね。そう考えるだけで元気をもらえる写真になりました。




そして、こちらのボーイズ二人組。それぞれ贔屓のライバルチームのユニフォームを着て闊歩しています。互いの好みを認めつつ、ファッショナブルに仲良しな二人。こちらも微笑ましい写真になりました。


まだまだ、Stay Safe & Be Positive! に、素晴らしい季節を楽しみましょう!ピース!

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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