
*Photo; New York, 5th Ave.
困った時こそチャンス!なんてよく言いますが、本当に困っているときには、なかなか「ふむ、そうか!」なんて思えないものです、よね。ところが、段々と経験を重ねてくると、「ふむ、たしかに」なんて感じ入ることができるようになってきます。人の力って大したもんです。とはは…。
何の話かと言いますと、コロナがあり、そして低成長とも言われる時代が久しく続いています。必ずしも良い時代とは言えない昨今ですが、それでも、これはいいことかも、と思える流れも少なからず生まれているようです。
経営という分野で言うと「人的資本経営」というコンセプトがその一つです。
明確な定義は難しいのですが、ざっくりと言うと:
限られた資源の環境下で、「人材」こそが最大の資産なのだ。個々人が持つ能力、情報を最大限に活かすことによって、企業の持続的成長を達成させよう、と言う考え方です。
そのためには、一人ひとりが、より健やかに働ける環境を用意し、モチベーションを高く持ってもらう。さらには、さまざまな人材=才能とのコラボレーションを支援したりするための工夫を施すことが企業側にも求められます。
会社が自分の能力を尊重し、高める環境を用意してくれる。だからそれに報いる働きをする。自分を高めてくれる人材とのコラボレーションも実現できる。自分も達成感がある。企業側には、業績という利が生まれる。このサイクルを回すことで、持続的な成長を果たそう!というわけですね。
これまで優秀な人材を獲得、確保するためには、金銭的なリワードが大きな手段であったわけですが、「働きやすい環境の提供」という視点が加わるわけです。
コロナのおかげで可能になった壮大な社会的実験とも言えるリモートや時差ワークの実施や、人手不足などの「困った」状況が生み出したとも言える、このコンセプト。実践する企業が増えれば増えるほど、個人にとってもポジティブな流れですし、逆に、「人を資産として大切に扱えない」企業は淘汰されていくことにもなります。優良な人材は、自分の才能を活かす環境を目指しますからね。
ブランディングに何が関係するかというと、この人的資本経営の考え方とは実に相性がいい、というよりも「地続き」です。
前回のこの項でも書きましたが、今「インターナル・ブランディング」ってとても大切になってきています。フタッフの一人一人が、自分たちは「(顧客や社会に)何を提供するのか」「そのためにはどんな価値観を大切にし」「どういったアティチュード」で仕事に臨むのか、を共有することです。
上述した「働きやすい環境」とは、単に物理的なことではなく、企業の風土や文化、パーソナリティが大きな役割を果たします。そして、それらをつくる礎となるのが、パーパスやビジョン、などになるわけです。
それらがお飾りの言葉ではなく、日々の業務の中で、会社側も自分たちに対してそれを実践してくれている、と実感することも立派なインターナル・ブランディングになります。
それにより、スタッフの皆さんも、より一層自分たちの会社の魅力に対しての気づきがうまれますし、もしかするとさらなる改善点なども見つけることができるかもしれません。そうなると、パーパスやビジョンも命を吹き込まれたように、機能してくるわけです。
つまり、人的資本経営というコンセプトから生まれる企業努力=社員に対する会社側のアティチュードの変化によって、より強いブランドを産み、育てることができるわけです。
デジタルによる職場環境の整備も、「安全・簡便」だけではなく、上記の考えを持って導入することが一石二鳥、三鳥にもなっていきます。
さて、今日の写真も『ニューヨーク・スナップ・シリーズ』から。ニューヨーク図書館前での一枚です。これが私よ、という感じの堂々とした女性。シンプルにかっこいいです。

そしてこちらは、オフィサーと、セキュリティの方。ピンチの時こそ活躍する人々。普段の構えにはこんな余裕が欲しいです。
さてさて、まだまだ暑い日々が続きますが、Stay Safe & Be Positive!で、ひとりひとりが健やかに、楽しく働き、それが新しい価値創造につながる。そんな世の中を生み出しましょう。ピース!