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『会社』ってなんだろう?と、ふと考えた


Photo; Tokyo


新年度が始まり、会社員としての第一歩を踏み出した方も多いのではないかと思います。

コロナ以降、出社する機会が減り、新人の教育のみならずチームビルディングが難しい、という相談もいただきます。少しずつコロナ以前の働き方に戻っている会社もありますし、すっかりリモートが定着した、という会社もあるようです。


さて、今ボクが何気なく使った「会社」ということば。よくよく考えてみると「会社」って不思議ですよね。ちょっと前までは「会社人間(=仕事第一で、休日返上で働く人)」という言葉も普通に使われていましたし。しかも、ある時期までは決してネガティブな意味ではなく使われていた、と聞くと今年の新入社員の方々も驚くでしょうねえ…。わはは。


ボク自身、大学を出て最初に入ったのは従業員数が数万人という、いわゆる大企業でした。新人研修で講師役として登壇された役員の方の言葉が、ある意味ボクのビジネス人生において大きな位置を占めています。

『これからの会社人としての人生、好むと好まざるに拘らず「人間関係」が8割になります。皆さん、これから様々なプロジェクトをやることになると思いますが、ああ、あいつがいなければ、とか、ああ、なんでこいつに邪魔されるんだ、ということの繰り返しです』


まあ、よくそんなこと言ったよなあ、なんて当時でも思いましたが、実際のところこれは言い得て妙、というか、その後直面したさまざまな艱難辛苦(?)−かんなんしんく、と読みます−の際にも「ああ、そうなんだ、やっぱりそうなんだ。まあ、仕方ないね」と助けになってくれる言葉、というか達観となりました。


さて、そんな「会社」。ひっくり返すと「社会」。ちょっとシニカルに現代を捉えると「会社のため」と「社会のため」は矛盾することが多くないですか?だから逆なのか!…なんてことはなく、実はこの二つのことば、もともとは明治時代にSocietyに対する訳語として使われていた姉妹のような言葉なんです。ちなみに「団体」や「集団」も同じ使われ方をしていたようです。それがいつしか、公的な意味合いが強い「社会」と、営利を目的とする「会社」とに分化していったようです。面白いですね。

昨今の”パーパスブーム”は、ある意味「会社」と「社会」がまた近しくなる流れなのかもしれないですね。この件については、後日改めて書きたいと思っています。


閑話休題。実際のところ、会社という集まりの中ではさまざまなことが起こります。単に営利を目的とした集団ではなく、個人の視点から考えるとそこで生まれる艱難辛苦(!)を乗り越えることがひととして成長させてくれるって、あると思うんです。アイディアも叩いて叩いて強くなる。単なる根性論でなく。


デジタルを通じた「目的志向」のコミュニケーション行動だけでは得られないことが起こるのが「会社」とい組織体が与えてくれる醍醐味、という気がします。そうしてガチャガチャとした、鬱陶しくもなんだかスパッと切り離すことができない人間同士の切磋琢磨から「会社の文化」が生まれたりもするわけです。


もちろん、「会社」という組織に属することが苦手な人もいるでしょう。実はボクもその一人。わはは。でも、森の木々のように、個々人の個性や才能が集まってみんなで何かを生み出していくと言うダイナミズムがそこには確かにあります。そのシナジーがうまく効率的に倍加していく先に『ブランドの誕生』があるんです。ほんと。

さて、今日の写真ですが、出張を終えて一週間ぶりに毎朝走ったりボールを蹴ったりする公園に足を向けたところ、木々の緑がむせかえるほどに濃くなっていることに驚きました。大好きな季節の始まりです。ほんと、自然はサボることをしません。そして、われわれもまた自然の一部。がんばりましょー!

みなさんも素晴らしい季節をたのしんでくださいね!ピース!


© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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