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お前の話はつまらん!


*Photo; Dubrovnik, Republika Hrvatska (クロアチア)


いきなり勢いのあるタイトルでなんですが、このセリフにピンと来た広告好きの人は多いのではないでしょうか?

かつてのキンチョーさんのTVCMで、縁側に座ってお話しする親子。岸辺一徳さん扮する息子が商品特徴を滔々と語りだすと、お父さんの大滝修二さんがそれを遮って「お前の話はつまらん!」と激昂する、という名作です。衝撃でした。

これ、シュールなギャグに思えますが、実際のブランディング・コミュニケーションでは実によくある話…です。残念ながら。


昨今のSDGsなど、環境や社会問題にケアをする企業姿勢はとても好ましいのですが、そのコミュニケーション、特にコピーやステートメントとなると、正直「実につまらん!」というもの、多くないですか?怒られるかな、ボク。わはは。


「いいこと」を「ただしく」言って、目指すのは「人と未来にやさしい社会」。われわれは、「いいひと」です。となると、どうしても聞いている方はワクワクしにくいのが現実です。

まあ、人と未来にやさしい社会を、と語るブランドにみんなが驚くような事態よりは、よほど好ましいことではありますが。


前回、ブランディングで「目指すところ」は差別化なんていらないんです。それよりも、どこで「そのブランドらしさを出すか」を考えましょう。

という話をしました。


コミュニケーションの話法は、まさにその一つです。


ボクは、いわゆる「ブランドステートメント」をつくることも多いのですが、心がけているのは「ふむふむ」と「え?」のバランスです。


読んでくれる人が、一瞬「え?」と止まる。耳を傾ける。その瞬間を作ることがとても大切であり、そこにブランドの個性を滲ませることができれば、クライアントさんにも、社会にも愛してもらえるステートメントが生まれます。そして、それを生み出すことは、とても-改めて言うまでもないことですが- とても難しいことです。


クライアントさんの思いを聞くチカラ。それをコピーに昇華させる制作能力もさることながら、合議制で、いろいろな部署に「これでいいですか?」と聞いて回っているうちに、どんどんとツルツルの言葉になってしまうことも、ままあります。わはは。


今日の写真はクロアチアのドブロブニクで撮った海鳥たちです。それぞれが踊るように飛びながらも、同じ方向を目指す。ブランディング・プロジェクトもこうありたいですね。なんて。

暑いこの夏、この写真から少しでも涼しさを感じていただければうれしいです。


Stay Safe & Be Positive !で参りましょう。

ピース!

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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