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よく生きる。これが最も大切な価値観ではないのか


*Photo; 蓼科


ブランディングとは、言うまでもなく企業の経済活動のための施策です。

シンプルに言ってしまえば顧客との良好な関係性を築き、なるべく長く、濃い関係を継続することによって企業は潤い、顧客はそれに見合った物理的なことだけでなく、感情的な便益を受けることができる。

ここで大切なのは、「感情的な便益」です。このブランドを持っていることによって気分が上がる。このブランドを持っていてよかった。誇りを持てる。そうした感情を顧客に「プレゼント」することで、より強固な関係性を築くことができます。つまり、より強いブランドになることができる、ということです。


これが、物理的な便益、たとえばポイントカードによる割引などに終始してしまうと、それよりも“有利な取引条件”に顧客は流れてしまいます。


難しいのは、感情を動かす価値観は時代の流れなどその時々によって変わることです。「皆と同じ」から「優越感」へ、あるいは「自己肯定感」など、ですね。

価値観と感情の関係性のわかりやすく悲しい例が、かつて「愛国心」の喧伝が人々の心をとらえた時代があったことです。

現代は、若い層を中心に個の尊重と共に、相互理解や未来の地球環境などが大きなうねりになりつつありますが、一方で、その真逆の動きも世界中にあることも事実です。


さて、ブランディングの観点から、この時代をどうとらえたらいいのでしょう?

ボクのシンプルな答えは、「自分が本当に信じることを整理し、堂々と発信すること」です。何が受けそうだ、と人々の感情の表層を掴むのではなく、自ら信じて、築きあげたい価値観をしっかりと持つことが重要だと思うのです。


注意いただきたいのは、自分のやりたいことを説得するのにラショナル(合理的な理由)なしの感情論で押し切ろう、と言う方法論に頼らないことです。例えば「命がけで」なんて言葉を軽々しく使わず、しっかりと理性的に自分の価値観を伝えられるように整理してみることで、自分自身の考えもより明確にすることができます。


成長するブランドの価値観の根底にあるべきだとボクが個人的に願うのは、今の時代で言うと「生命の尊重」であると思います。物理的に「生きる」ことももちろんですが、懸命に生きる他人の命を危険にさらさない事は当然のこと、その生き方を尊重することが、最も基本的で大切な価値観だと思います。それは、動物も植物に対してもそうです。そのためには、しっかりと想像力を働かせて、他者の生活を慮ることが必要になります。


世界的な流れとして経済が政治に人質に取られたような状況の中、世界は良い方向に動いてきたのだろうか、と考えることが多くなります。経済を良き企業人にとりもどし、より良い社会の再構築が始まることを願っています。この数年は、大好きな文化やスポーツすらも人質にとられていると感じてしまいますので、なおさらです。


こんなことを敢えて整理しなくてはいけない時代にあります。これを好機と捉えて、「よりよく生きる」とはどう言ったことかを、ボクなりに考え、仕事に生かしていきたいと日々考えています。

ジョン・レノンが生きていたら、なんと歌うんでしょうね。ロンドンオリンピックでは彼の『IMAGINE』がフィーチャーされていました。バージョンアップした(?)今の彼の言葉を聞いてみたいです。


写真は、先日取材で登った蓼科高原の山道で撮ったもの、その2です。

そこにしっかりとした命があれば、倒木も美しい景色の一部となり、森は呼吸を続けます。


さて、今日も Stay Safe & Be Positive!で参りましょう!!

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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