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グローバルに足並みを揃えるには、焦らずに「北風と太陽」で


*Photo; Hawaii


ブランディング・プロジェクトを進行する際に直面する「よくある悩み事」の一つに、本社と関連会社の足並みをどう揃えるか、ということがあります。思い当たる方、たくさんいらっしゃるんじゃないですか?


本社でようやく方向性を決めて(ふう、大変だったなあ)、全社員に告知して納得してもらい(はぁ、おつかれさま)、ようやく一区切り、と思ったその後にやってくるのが、関連会社との連携(わぁ、これも私がやるの!?)です。


特に日本以外の国にも関連会社を持たれている場合、各国でのポジショニングの違いなどもさることながら、国民性なども考えてメッセージのトーンを調整することも必要になります。


ですが、実はこうした「真っ当」な検討課題よりも、各国、各関連会社さんとすでにお付き合いをされているコミュニケーションの会社さんとのバランスなどでも調整が必要になります。


日頃から一生懸命、現地会社の担当の方と広告やデザインを頑張っている会社さんからすると、本社からのオーダーでメッセージやデザインを統一しろと言われました、と言われても、はい了解です〜、とはなかなかならないのが現実です。

ボクの経験でも、アメリカやヨーロッパの現地法人と付き合いのあるデザイン会社さんから自分達からも提案をさせてくれ、という申し入れがあったりしたこともありました。


国を跨がずとも、こうした状況が関連会社さんとの間に生まれてしまうことはよくあります。


プロジェクト開始にあたって事前の調整・確認をしたり、プロジェクトの発足時から各社にブランド担当者をアサインして、一緒に推進することがこうした事態を回避する一番の方策ではありますが、実際はなかなか難しいですよね。

もちろん、本社で決めたのだからこれでやってね!と押し切る方法も、あります。


しかし、この項でも何度か書いていますが、ブランディングは、やっぱり社員の皆さんが腑に落ちて、行動につなげていくことが大切になります。

ですので、やっぱり「北風と太陽」でいきましょう、というのがボクからの提案です。押し付けるのではなく、仲間に入りたい、と感じていただくことです。


具体的には、いくつかの関連会社さんの中から賛同してくれそうなところへ丁寧に説明をして、グループとしてブランディングを進めていく。

カラーシステムの展開が一番分かりやすいですね。メッセージは、全社共通でなくもていいかもしれません。ですが、ベースとなる本社のビジョン、ミッションあるいはパーパスを踏まえて、各関連会社さんの事業の役割とリンクするように広げていくことが好ましいです。もちろん、各社のメッセージは、当該社のご担当を中心に開発していきましょう。


そうして、いくつかの関連会社がアラインメントをつくってプロジェクトを進めていくことで「グループとしてのブランド」が見えてくる。

ああ、いいなあ。あんな感じの輪の中に自分達も入りたい。せっかくグループなんだから、あのカラー、あのメッセージングのトーン、使いたい、と現場の方に感じてもらうことが一番の解決策になります。

そのためにはもちろん、本社のブランディングが素敵に出来ていないと、いけません。そこが本当に魅力的に出来ていれば、上記のような苦労はない、と言えます。はい。


時間も手間もかかりますよね。でも、結果、この方が上手くいくことが多いようです。


かつて日本の企業がどんどこ海外へ出て行った時には、本社の宣伝部で経験を積んだ方が現地のコミュニケーション担当として赴き、その会社の「イズム」を時間をかけて現地のスタッフの方と共有をしていったそうです。

それができればベストかもしれませんが、上記の方法はそのショートカット版です。


今日は、ハワイで撮った「カンパーイ」の写真です。

関わる人みんなが「カンパーイ!」と祝ってくれるブランドを、今日もつくっていきましょう!

ピース!

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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