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データ時代のブランディング


*Photo; New York


プラットフォームビジネスが主流になっています。グーグル、アマゾン。とにかくベースを作って、その上で消費行動が行われるスタンダードをつくる。多くの人がその上でダンスを踊ってくれるようになるまでは、とにかく皆さんが気にいるように。多くの人が集まるように。そこに全てのマーケティングのリソースを集中します。


ある程度、ドミナント(競争優位)できるだけのステータスになると、効率(収穫)期に入ります。つまり、顧客の欲求はそこそこに、利益を優先するステージに入ります。あるいは、効率のよくない顧客層は切り捨てていく、というか離脱もやむなしとのプログラムに改変していく。


わかりやすい例で言うと、アマゾンなどが、最初は敷居を低くして会員募集をし、ドミナントの状況になると、プラスの会費を払わないと今までのサービスを続けて享受することはできなくなってしまいます。この際ですから、ほんの少しの追加料金で、これまでと同じ、いやいや、もっと上位のサービスが受けられるようになりますよ。今がチャンス!

と言うやつですね。


サブスクリプション(定期購買)のシステムが敷衍されてから、マーケティングの手法も変わってきました。一度「便利」なソーサー(お皿)に乗ってしまうと、そこから降りるにはそれなりの意思、だけでなく、面倒な手続き(解約と、その後の、似たようなサービスを探して加入する労力)が必要になるので、どうしても「ほんの少しの追加料金」を払って現状維持を選ぶ顧客も多くなります。

ちょっと過激な表現を使うと、できるだけ「思考停止状態」に導くことです。こう言うと怖いですが、身の回りをよくよく考えてみると、思い当たりませんか。


近年のウェブマーケティングは、端的に言えば上記のような流れをいかに効率的に構築するかに切磋琢磨しています。


「いい広告をつくればファンが増えて商品買ってくれます」なんて無邪気に信じていた時代からは隔世の感がありますが、基本的には「お客さまが求めるものを、正しいタイミングで提供する(Right Service, Right Timing)」という、マーケティングの理想形には近づいていると言えば、そうなのかもしません。その精度も、AI によってこれからますます上がるはずです。「欲しい時に欲しい品」。素晴らしい世界。


うーん、どうも解せねえなあ…。

ほんとにこれって、皆が望んでいた姿なのでしょうか。


これまで何度も書いてきたように「お客さまの満足度100%のために!」妄信主義にはかなり否定的はボクではありますが、この「利益最大化の仕組みづくり」は、ちょっと味気ない。


この文脈には、なにか大切なものが欠落していると思うのです。


『何が売りたいのか』。そして、お客さまとなにを『共創したいのか』。効率化を追い求めるがために、企業が最も大切にすべきそのコアの部分がやもすると抜け落ちる危険性を内包しています。

いつの間にか、お客さまの存在が単なる数字、になっていませんか?


「手段の高度・高精度化」がなされてきている現代では、ブランディングという観点で言うと、インターナルブランディング。つまり、ブランドが本来大切にすべき「提供価値」を、スタッフが共有することが大切になります。そうでないと、「効率」の名の下に、大切な顧客やその感情、そして長期的に考えると売上以上のもの=商品開発力、を失うことになります。

キレの良い包丁を使わせるには、その前にしっかりと訓練をしてもらう必要がある、ということであります。

現代のエンロンが再び生まれないことを願うばかりです。

*「エンロン事件」については、別の項に記してありますし、ブランディングとしても重要な出来事ですので、よろしければ調べてみてください。


さて、今日の写真も『ニューヨーク・ショット』からです。この町の魅力は、最先端と昔からのものが混在していること、なんだと思います。最先端のテクニックを駆使しながら、根本にある志を忘れずに。それが魅力あるブランドつくりにはとても大切なことだと思うのです。



*ちなみにトップの写真は、ピントが外れている、のではなく「外している」のです。わはは。念のため。


さてさて、まだまだ暑い日々が続きますが、Stay Safe & Be Positive!で面白いこと、楽しいこと、そして価値のあること、世の中に生み出しましょう。ピース!


© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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