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ブランド広告を考える


*Photo; NY


ボク自身が広告代理店出身ということもあり、かつて某外資系のロゴ・マーク開発会社の方から「広告ではブランドはつくれない」と言われて憮然とした思い出があります。じゃあ、マークでブランドつくれんのかよ?!んなわけないじゃん!と。

若かったなあ。


今ではわかります。「広告だけ、ではブランドはつくれない」んです。もちろん、ロゴやマークだけでもブランドはつくれません。


今日はブランディング=ブランドの価値向上、に寄与する広告について考えてみます。


広告って不思議ですよね。売り上げを上げるために打つはずなのに、景気が後退したりして、売り上げが本当に必要!という時に、真っ先に予算を削られるのが広告、です。笑い話のようですが、広告って販売向上に効率的には貢献しない、と誰もが潜在的に認識しているわけです。ここら辺は、業界全体で自覚的に考えるべきです。

前回のこの項でも「のぼり」と「ブランドメッセージ」はぜーーーんぜん!ちがう!ということを書きましたが、「のぼり」はブランディングには寄与しませんし、景気が低調な今日、むしろブランド広告についての要望が高まっています。ボク自身は、もう数年前から「のぼり」の広告のプロジェクトはお断りしています。


さて、「ブランド広告」というと、どうしても日本では「企業広告」と同義に用いられ、なんだか気持ちのいい風景になにやら感じのいいコピー、をイメージされる方も多いのではないでしょうか。

確かにそうした広告もブランドには寄与しますが、どうせならしっかりと売り上げに結びつくような「ブランド広告」をつくりたい、ですよね。


今回はできるだけ話をシンプルにするために、TVCFを例に話をしましょう。


いい感じの映像に、いい感じのコピーが入る。あげくは、何の広告だったかわからない。

これが第一段階です。

いい感じの映像に、なんとか商品特徴が入る。これが第二段階。

スポーツ用品、モバイルやIT機器が今、このゾーンですね。ワイヤレスヘッドフォンなども大概今、ここです。残念なことに商品特徴は、今の時代ほとんど差別化が難しい。気持ちのいい映像は、最後のブランド名を取ったらどこのブランドか全くわかりません。

最初に成功した(CFで高評価を得た)ブランドと同じフォーマットを競合がどんどん真似をしていくからです。強いて言えば、最初にやったブランドだけが優位を保つこともありますが、カテゴリーそろってだんご状態になります。


では、どうすれば追随する物真似広告から一線を画し、本当のファンとの結びつきを生み出すブランド広告が作れるのか?


ブランドのコンセプトを強く、メッセージ化させることが今、求められています。つまり、言葉です。あるいは、広告姿勢そのものです。ナイキ 、パタゴニア、さわかみ投信、宝島社(バンクシー の絵をまんま使ったのは、とても残念でしたが。それこそ宝島社さんらしくなかった)。経営トップの声が聞こえる。顔が見える。そんな広告であれば、ブランディングに寄与します。ようやく、そういう時代です。


写真はニューヨークの美術館に掲げられていたメッセージです。この、ちょーアナログのシートのメッセージが、メディアアーティストのものである、というところがまた、効いてます。わはは。これくらいシンプルに言ってみよー!はやい、つよい、おもしろい!最高です。


Stay Safe & Be Positive ! で、今日もいい一日になりますよう!

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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