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ボクだったらペプシをこんな風にポジションします


*Photo; Guinness Headquarters , Dublin


とても気持ちよく晴れたある日、ペプシ・コーラをひっさしぶりに飲みました。

たまたまいただきものが冷蔵庫にずっと置いてあったのですが、その日は本当に天気が良くて、しかも朝に6キロ程のランをこなしてきたので「あ、そうだ!ペプシがあったはずだ」と思い出し、プシュ!とプルトップを引いたわけです。


飲んだ瞬間「おお、なんだか癒されるぅ〜」と感じました。

正直ペプシも、そのライバルのコカ・コーラも永いこと飲んでいなかったのですが、ペプシを飲んだ後に、ふと思い立ってコカ・コーラも飲んでみました。

その結果、ふむふむ、これはペプシ、やっぱりポジショニングを誤ってしまっていてだいぶ損をしているのでは無いか、と思ってしまいました。


・渇きをいやすリフレッシュドリンク

・アメリカ産まれ

・そして「黒い炭酸飲料」

という多くの共通点からこの二つのブランドは常に比較されてきました。ブランド名を隠した二つを並べて飲んでもらって「やっぱりおいしいと選ばれたのはペプシ!」なんて比較広告をやったこともありましたね。つまり、コカ・コーラに比較されるようにポジションをとることでペプシはその地位を作ってきたとも言えます。


ボクはもともとあまり熱心なコーラ・ドリンカーではなかったので、ただの広告表現上のせめぎ合いとして、興味深く見ていただけだったのですが、今回、ペプシを改めて飲んでみて、いくら頑張ってもコカ・コーラを凌駕できないのはポジショニングに課題があるのではないか、なんて思ったわけです。


わはは、怒られますね、きっと。でも、凌駕できていないのは事実なので、ごめん!ということで。


端的にいうと、冒頭に書いた晴れた日にテラスで飲んでペプシを飲んで感じたのは「ホッとする癒し」でした。


ご存知の方も多いかもしれませんが、実はコカ・コーラとペプシ、そのオリジナルの発想はほぼ「真逆」です。

コカコーラは、1886年にモルヒネ中毒の処方薬として、ワインとコカの葉をベースに作られています。気分が上がる!飲み物としてスタートしました。これは、現在にいたるコカ・コーラのイメージと違和感なく繋がりますよね。


一方、ペプシは1898年、消化不良を直すための飲料として生まれたのがその起源です。ペプシンという消化酵素がペプシの名前の由来であることがそれを物語っています。なので、気分が上がる!とはちょっと違うんです、ね。というか、消化を助けてもらってホッとする、というのが自然の感情として生まれる飲料感なはずなのです。


それが、コカコーラの成功を横目で見る中で、歴代の優秀なマーケッターがコカ・コーラに寄せることで地位を得てきた、というのがざっくりいうとペプシの軌跡です。

なので、コカ・コーラの「渇きを癒してリフレッシュ!」という価値軸での競争においては、それを期待するお客さまの期待値において、コカ・コーラは抜けないのです。だって、ファクト(商品がもたらす事実)が厳然として違うのですから。

さて、ここで今の時代を考えてみましょう。時代の流れの中で、今は「気分盛り上げていこう!」というよりも「少しの癒しを得たい」という人の方がはるかに多いはずです。

つまり、時代によって「リフレッシュメント」の意味が違ってきていることに気がつくべきで、これはペプシにとって大きなチャンスだと言えます。

*これはかつて、ボクがアリナミンさんのブランディングをお手伝いして大きな成果をおさめたことと同じ流れです。


「ペプシ・コーラだからこそ出来る、今の時代のリフレッシュメントの提供」を提案できると、新しい時代を作れると思います。


直近での成分レシピがどうなっているのかは分かりませんが、あの晴れた気持ちの良い日、ペプシ・コーラを飲んでその提供価値を実感したからこその、ささやかな提案です。


さて、「黒い炭酸飲料(?)」と言えば、ギネス!ですよね。大好きです。

今日の写真はかつて訪れた、ギネス本社内のレストランです。エリザベス女王も訪れたと言うこの場所では、自分グラスに出来立てのギネスを注がせてもらうこともできます。

ロンドンやダブリンの街のパブで、賑やかに飲む人々を横目に、新聞を眺めながらちびちびとギネスを舐めるようにして飲むおじいさんたち。かっこよかったです。

ビールも場所や文化によって、その「提供価値」って違うんですよね。


なんでペプシ・コーラの話で、ギネスが締めなんだよ!なんて言わないでください。わはは。すまんすまんです。


また世界を歩ける日を楽しみに、Stay Safe & Be Positive !で参りましょう。

ピース!



© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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