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宣伝会議さんでセミナーを開きました


*Photo; John & Yoko Exhibition, Tokyo


某月某日、宣伝会議という広告業界誌(と言う説明で良いでしょうか?)の担当さんから連絡があり、「化粧品の広告開発について、ブランディングという観点からセミナーをせよ」というオファーをいただきました。


聞けばこのコロナの状況の中、生徒さんを会場に集めるのは難しいのでウェブでやる、とのことでした。対象は化粧品会社の広告担当者の方。与えられた時間は80分。


・・・きつい・・・。話をもらった瞬間にうかんだのは、この3文字でした・・・きつい。

いろいろなお声掛けをいただき、セミナーでお話をする機会も多いのですが、ウェブセミナーとなると、ブルーバックを背負って、カメラに向かってひとりで話し続けるということです。80分。サッカーの試合でも前後半で90分。80分となると、運動量の多い選手は足がつる時間帯です。なんの話か、ですが。


それでも、結果、受けました。やりました。なんでやったんだろう?ちょっと面白いかな、なんて思っただけだったのです。わはは。忙しい時にわざわざいろいろなことを抱え込むのは、ある種、説明のつかない本能的なものかもしれません・・・。

実際、面白かったです。自分のカメラ写りはちょっと驚愕、でしたが・・・原稿をまとめる作業は思いの外、面白かったです。それは、自分でも暗黙知でやっていたことを整理する機会を与えてくれたと言う意味で、とても興味深い作業でした。


コンセプトの立て方、競合ブランドとの差別化の考え方、そして制作スタッフへのディレクションの仕方などを話したのですが、やっぱりコンセプトを立てる時に、世の中の流れをしっかりと掴み取ることがいかに大切か、ということを改めて確認しました。

よほどの新発明、新技術があれば別ですが、商品のスペック上の特徴はそう大きく変わらないのが現代の実情です。少なくとも、開発者が思っているほどに生活者へは響かない、届きにくいものだと考えた方が良いです。ただ、その微細かもしれない違いを時代の光にかざしてあげると、うまくすると万華鏡のようにキラキラと光り始めるんです。

それが面白くてこの仕事をずっとやっているのかもしれない、なんて感じ入りました。


好むと好まざるにかかわらず、今、ボクたちは大きな変革の時代生きています。コロナ、気候、政治、そうしたものに影響を受けて価値観が姿を表していきます。

以前、VOGUEなどのファッション誌にあるインタビューを読むことは経営者にとっても参考になると書きましたが、そこにはまさに上記のような社会の空気を存分に吸い込んで前を向こうとする人々の言葉があるからです。ブランドを生み、育てようとするのであれば、そうしたことに目を開き、耳を澄まし、行動を起こすことが大切な時代です。

自社の商品開発の現状についての質問に「政治的な発言はしません」と答えた経営者の方には言葉以上の思惑があるのでしょうが、数万人いるその会社のスタッフが言葉の表層だけを受けて政治や世の中の変化には目を瞑る、ということが起こるとブランドの将来に大きな禍根を残すのではないか、というのがボクの一つの懸念です。


ブランディングを志すみなさんには、ぜひ、地球と生活とを取り巻く環境に目を凝らし、そこに疑問を持ったり独自の視点を持つことを厭わずに行って欲しいと思います。


今日の写真は、昨年開催されたジョン・レノンとオノ・ヨーコの展覧会からです。ジョンさん、甘い、酸っぱい、など味覚表現の日本語を覚えるため、イラストを描いて覚えていたんですねえ。「日本語を話せば話すほど、上手になります」とローマ字で書いてます。くう。「見て聞いて、考えれば考えるほど、よい未来を描くことができます」


Stay Safe & Be Positive!で参りましょう。ね、ジョ〜〜〜〜ン!

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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