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組織変革論としてのブランディング


*Photo; Minami Aoyama, Tokyo


ブランディングとは

「お客さまに一円でも高く喜んでお金を払っていただくための企業努力」

と言うのが、ボクなりのディフィニション(定義)です。


そのために商品の開発から販売に至るまで、一貫したアウトプットをデザインすることが必要になります。

ボクが言う「ブランドデザイン」とは、マークや商品などの表層的なデザインだけではなく、こうした企業活動全般を意味した、広義なものを意味しています。

長らくブランディングといえば、やはり「外見」を整えることに比重がおかれていましたが、この数年「中身からやらなくてはダメなんだ」という理解がクライアントサイドで進んでいるのはとても喜ばしいことだと感じています。


まずは、ブランドとしての思想や考え方を整理して、皆で共有しよう、という動きが大きくなってきています。

近年の企業不祥事も背景の一つかと思いますが、ネガティブなことが新しい価値創造へのエンジンとなることができるなら、今の事態も悪いことばかりではないのかもしれない。と、ポジティブに考えています。


考えは言葉となり、

言葉は行動となり、

行動は習慣となり、

習慣は人格となり、

人格は運命となる。


サッチャーの有名な言葉の「人格」をブランド、と置き換えればそのままブランディングの基本フレームとなります(まあ、サッチャー氏の業績への評価はいろいろあるとはいえ、ですが)。


これはつまり、組織変革論でもあります。

組織変革論は、基本的に以下の3ステップからなります。

・従来のやり方や価値観の見直し

・変革への指針作り

・新たな方法や価値観の構築と浸透


こうした推進ステップには、さまざまな「既存の価値観ややり方に固執しようとする抑止力」が働き、その攻防をどうコントロールするかが大切だ、と語られています。


そのコントロールのための軸となり得るのが『ブランディングという価値軸』だと、実感しています。

なんのための組織変革なのだ、という、現場に働く皆さんにとっての当然の疑問に答える指針となり得るのです。


日々、向かい合っている業務はひとりひとりの皆さんにとってかけがえのないものですし、その仕事をある日「意味がなくなった」あるいは「やり方を変えなくてはならない」と伝えられることは、耐え難いことだと思います。

でも、組織としては、その変革を遂行しなくてはならない。売上のため?利益のため?

ながく顧客に愛してもらい、ながく私たちの仕事が、愛され存続するため。

そんな価値観を共有することが、有用だと思うのです。


経済環境が目まぐるしく変わる中、数字だけではない判断基準が企業経営にも求められています。



さて、今日の写真は青山の路上で見つけたスクリブル(落書き)です。

WASURETA KOTO WO WASURE NAIDE -忘れたことを 忘れないで-

と書いてあります。

ふーむ…恋人に書いたのでしょうか?これ、ほんと、リアルに、普通に歩いていて見つけたんです。でも組織変革にもとても大切な言葉だな、と思って。


ちょっとアンニュイな締め(?)ですが、とにかくまだまだStay Safe & Be Positive !で参りましょう。


エリザベス女王のご冥福をお祈りします。その業績は無論計り知りませんが、ボク個人からするとユーモアの価値と偉大さを教えてくれた方でもあります。

R.I.P.

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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