top of page

言葉で曖昧さを取りはらい、そしてまた、少し曖昧にする。Branding の秘訣です。


*Photo; London


ブランディングにおいて、言葉は大きな働きをしてくれます。この数年、日本ではブランディングといえばデザインだよね、という理解が広まってしまっているようにも思いますが、最初は言葉ありき、です。ロゴデザインをするにも、カラーのスキームを決めるためにも、ブランドが目指すもの、大切にするもの、やるべきこと、やらないこと、をまずは言葉で表現し、共有することが必要になります。


その際には、とにかくいろいろな情報を聴く。インタビューはもちろんですが、紙の資料であろうがなんだろうが、読むのではなく聴く、という姿勢で情報の収集と分析にあたります。その後で言葉で整理をするのですが、その際に気をつけなくてはいけないのは、「便利な言葉や言い回しに逃げない」ことです。


では、どんな言葉や言い回しを避けるべきか。ふふふ、いい見本があります。コメンテーターや、ニュース記事の最後に使われる言葉はブランディングのミーティングの場では NG、 と覚えておいてください。「難しい問題ですね」「考えさせられます」「考え続けなくてはいけないと感じました」「本当にそうですね〜」などなど。他にも、方向性を曖昧にする。結論を先延ばしにする言葉や言い回しは多くありますが、会議の場での発言を「なんだかコメンテーターみたいだな」と感じたら黄色信号を心に灯してください。


言葉が空虚になってしまった時代には、空気そのものも空虚になります。逆にいえば、言葉が力を持つ時代を取り戻すことができれば、時代も明るく、視界も広くなります。ブランドもそうなんです。


そうして、ブランドの輪郭をしっかりと定義し、仲間と共有をする。その上で外部に発信する時には、ちょっと曖昧にしてあげる。その際にデザインが素敵な役割を果たしてくれますし、外に向かう時には言葉もちょっと「よそ行き」に、お化粧をしてあげると、魅力的なブランドが出来上がります。


写真はロンドンのレコーディングスタジオでのものです。ガラスに反射するさまざまなノイズが、中央に写る女性の存在感を際立たせてくれています。

まだまだ海外へ出かけるのはガマン、ですが Stay Safe & Be Positive で、また会いしましょう!




© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Ishizawa
bottom of page