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誰かのためになる仕事


*Photo; ZAMAMI, Okinawa


あけましておめでとうございます!


いろいろとある近年ですが、でも、だからこそ、人間が本来持っているはずの「良心」だったり「価値観」を信じて、仕事に取り組んでいきたいと考えています。


さて、今日はブランディングの根幹である「人と仕事」、について考えてみます。


何度か書いてきましたが、ブランドは見栄えのよいマークやデザイン、あるいは広告でつくられるものではありません。「人」がつくります。まずは、もちろんスタッフの方々。そして、ファンとなってブランドを支え、ある時には叱咤激励する存在にもなる顧客の皆さん。そうした人々をつなぐのは、ブランドの根幹となる価値観であり、考え方です。ビジョンやパーパス、ですね。


ここ数年『パーパス』が流行となって、社会との関連性の中で企業の存在意義を考えるのはとても良いことですが、ただお題目のように「社会のために」「お客さまのために」と言ってもスタッフのモチベーションは上がりません。


よく知られていることですが、粉飾決済や詐欺まがいの販売などの結果、アメリカ最大の倒産と言われたエンロン事件。そのエンロンの社内での掛け言葉は「敬意と誠実」そして、「顧客第一主義」でした。しかも、エンロン社のロゴマークは、ロゴマークデザインの巨匠 ポール・ランド氏の作品だった、というのも、なんともなんとも、という感じです。

*IBMやUSP、ABCテレビなど、ブランドマークの傑作が彼の作品であり、エンロン社のそれは、彼の現役最後の作品だったとされています。


ものすごく根幹的なことですが、ボクは社員の皆さんが

・自分の仕事が好き

・その仕事の成果が、誰かのためになっている

ことを感じることが、ブランドつくりには欠かせないことだと思っています。


もちろん「好きなことを仕事にできた」ラッキーな人とは別として、多くの人は生活のために「仕事に就く」が先にあるわけですから、マネジメントの最重要な仕事の一つが「目の前の仕事を好きになってもらうこと」になります。そのためには、仕事自体の楽しさもそうですが、日々の仕事が「誰かのためになっている」と理解し、実感してもらうことが大きな意味を持ってきます。


その誰か、は、もちろんお客さまかもしれないし、その先にある社会全体、あるいは職場の仲間でも良いかもしれません。


今の時代、「お客さま第一!」ではモチベーションやプライドは生まれません。もう一歩深いところに行きましょう。お客さんの笑顔を見ると、もちろん嬉しくなりますが、それを目的にするとずれてきます。

まずは、会社や商品のDefinition=何のために存在するのか、どう役に立つのか、を定義し直して、それをそれぞれの職場=役割に繋げてストーリー化していくことが必要になります。


経営や経済活動って多分に心理学的な要素が大きいのです。


今の日本を経営になぞらえると(残念ながら)分かりやすいかもしれません。人材への投資を怠り、株価の上昇に主眼を置く。異次元と称する金融緩和をしても経済は上向かない。これらは政府側と生活者、あるいは投資家との間の信頼関係が希薄だからだと言われています。納得。


「ワーク・ライフバランス」とワーク=悪モノ前提で話を始めるのではなく、仕事をすることによって、人生も潤ってくる。そんな文脈作りがそれぞれの職場で息づいてくれることこそが、地道ではありますが本当の潤いのある社会の基盤になるのではないか、と考えています。


で、これって、ブランディングの最初の一歩なんです。


潤いのある社会、といえば、個人的な意見ではありますが、接客業のみなさんがイキイキと働いている社会って、豊かだなあ、なんてしみじみありがたく思います。

特に(さらに個人的な意見)、飲食店の皆さんが溌剌と働いている様子は、日々の生活に潤いを与えてくれます。はあ、生きててよかった〜。というとちょっと大袈裟ですが、ほんと、気持ちの良いお店での飲食は、人生を豊かにしてくれると思うのです。

飲食店は文化の揺りかごだ、というのがボクの持論であります。豊かな文化が育つところには、かならず豊かな飲食による交流の場があると思うのです。


今日の写真は、沖縄の離島のライフガードのみなさん。出動機会もない日々が続くことももちろんあるでしょうが、彼女/彼らは本当にかっこよく、頼りになる存在であり、仕事を愛してる感じがしますよね。


さあ、今年もStay Safe & Be Positive!で潤いのある毎日を。ピース!




© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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