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センスは競うものなのか、な?という話


*Photo; Madison Square, NY

ブランディングの仕事をしていると、「感性」や「センス」が

話題になることがままあります。

「お客のセンスは、わしらには超えられへん壁なんや」という

著名なクリエイティブディレクターの言葉もありましたが、=、=;

クリエイティブに関わる人間にとっては、なかなかに大きなテーマです。

ブランディングのコアとなる「伝えたい価値」を

言葉やデザインに落とし込むには、

データや事実で伝えられるものから、ある種の「ジャンプ」が

必要になります。

プロポーズの言葉だって、「私は身長2メートルです」と

「いつも、あなたを守る大木になります」では、伝わり方、ちがい

ますよね?

*いや、プロポーズの言葉としてはどうか、という議論はまた、

 にしてもらえるとうれしいです =、=;

では、ジャンプから生まれた言葉やデザインが「正しいのか」、という

判断は、もちろん出来るだけ理論的に、ぎりぎりの接点まで地続きで

相互理解をするようにするのですが、最後は、えい!と行かねばなりません。

「デザインに正解はある」という方もいるのは、わからないではないですが、

新しい財布を買うのに、黄色もいいな、でも落ち着いた濃紺もいい。

と例えば自分の体験に照らし合わせると「正解はありますから」というのは

却って乱暴すぎる気もしませんか?

だって、そこは「人」が選ぶものですから。

「正解」が本当にあるのなら、デザインももはやAI の仕事です。

さて、そこで重要な役割を果たすのが「感性」や「センス」。

10年ほど前に、経済産業省の仕事で「感性プロジェクト」なる

日本の感性をもっと世界へ、というプロジェクトをお手伝いしました。

その時に書いたコラムです。

感性やセンスに関しては、いろいろなディフィニションや研究も

あるみたいですが(今回はその差異については置いておいて)、

少なくとも今日ボクがいいたいのは、

「それは比較して、こっちがいいとか悪いとか、と比べるものではない」

ということ。

そして、もう一つ。

時としては、自分の「今の」感性やセンスにこだわりすぎないほうが

新しい世界が広がる可能性があって、楽しいですよ。

ということです。

今日はちょっとむずかしい話でしたか、、、ね?

ところで、今日の写真は先日撮ってきた

ニューヨークのマディソンスクエアです。

むかし「Madison Bag」て流行りましたよねえ。。。

知らない?

あれを流行らせたセンスって、なんだったんですかねえ。。。?

懐かしいです。たはは。

では、2009年1月10日のコラムから

『感性』についてのブランディングをしています。

さて「感性」です。 皆さんは、感性、なるものを日頃の生活で意識されること、 どのくらいあるでしょうか? うーん、正直ボクは仕事の流れでなんとなく口にする ことはあっても、その正体について深く考えたことが あるか?と問われると、すこし目をそらしてしまいます。 そんなボクが『感性』でもって、この国を元気にしよう! というプロジェクトのお手伝いをしています。 それで、よーくよく、考えてみました。 感性、はどこからやってくるのか? 結局、いろいろと考えて、それなりに本当にいろいろと 考えて「自分を取り巻く環境が“自己”という媒体に蓄積された ものの集積から生まれるものに他ならない」という結論めいたもの にたどりつきました。 もう少し分かりやすく言うと、生まれてから自分を育てた 自然、あるいは取り巻く社会の価値観に対する自分という 個体のアクションとリアクションという体験の蓄積が その人の感性=もしかすると、こだわり、と言う言葉に 置き換えていいのかもしれませんが、を育んでいくのではないか。 そしてもう一つ。 体内に蓄積された過去からの記憶というのは、実は その個体をさかのぼった、言うなればDNAにプリントされた ものも多く寄与しているのではないか、という考えに いたったのです。 例えて言うなら、NYに生まれて育ったなおみさん(17才 仮名)だって 初めて訪れた日本のおばあさんの家の畳の部屋でな〜んとなく 「懐かしい感じ」を持ってしまう。そんなことってあるんだと 思うんですね。 そんな仮説のもとに、感性の正体を解き明かすビデオをディレクション しました。それから、そうした感性から生まれた製品の紹介をする ビデオも。 運良くみなさんに目に触れるといいのですが。 で、そんなことを考え、創っているうちに、やはり創造していく上で 自分の感性、つまり自分自身からは逃げることはできないのだな、 という当たり前のようですが、忘れがちな結論にたどり着く訳です。 自分を深く理解する。自覚する。 それってやっぱりブランディングの出発点だな、とまた 気付きをもらいました。 つまりブランディングとは、魔法のように新しい価値を何もないところから 作り上げるのではなく、今あるものを新しい言葉、ヴィジュアルで 再構成することなのです。 いいブランディングをしようとすれば、自己を磨くしかない。 と言うことですね。 。。。がんばります。

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Ishizawa
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