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Brand への入り口をどうつくるのか


*Photo; ARMANI SILOS, Milano

ブランドになる入り口はどこにあるんでしょうか?

その答えは、古くからつづくブランドの先達の中にあります。つまり、真摯に自分の仕事に取り組むこと。それをつづけること。それに尽きると思います。

かつてブランディングというコンセプトが出始める前、ブランドと呼ばれる銘柄には限りがあり、その多くが長い月日の世の中の変遷を生き残った、高額の商品をさすことが一般的でした。

もちろん、高額であることに意味があるのではなく、長い月日、世の中の変遷に耐えたその品質にこそ多くの人が信頼を寄せ、それが憧れになり、「ブランド」と呼ばれるものになっていったんです。

エルメス、ルイヴィトンなどがその代表格と言えますね。ベンツやモンブランもそうです。

その始まりは、品質への飽くなき探究心とこだわりでした。やがて、リッツカールトンに代表される無形の品質にもブランド、という言葉が使われるようになりました。そして今ではブランドという言葉が持つ意味合いも大きく広がり、短期間でもブランドと称されるような商品やサービスも多く存在します。

ブランドという言葉の定義は変わってきていますが、その根底にある、なくてはならないのが「品質」です。それを顧客との約束、と呼ぶ人もいます。品質とは、単なるスペックではありません。そして、本来はその品質を、つまり顧客との約束を長い間裏切らない経年の実績も含めてブランド、という称号が与えられていたんですね。

さて、その品質を誰がつくのか、ということがまま忘れられがちなのも今日の特徴です。

ブランドつくりに携わる人間にとって、ブランドとは安定した収入源なのではなく、みずからが作っていくものなんだ、という決意を持つことがとても大切です。

やっぱり、マークや広告だけではブランドになれんのです。

はい。

今日の写真はミラノの比較的はずれにあるアルマーニの秘密基地のようなアーカイブです。訪れる人は本当に数えるほどなのですが、その入り口に立つひとは、見事にアルマーニブランド体現者の一人でした。彼はずっと何を見つめているんでしょう。

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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