
Photo, Rome, Italy
前回、ブランディングとマーケティングの違いについて書きました。 ブランディングについて、もう少し僕の考えを書きましょう。
2007年から数年をかけてヨーロッパ、北米のブランディングの専門家が集り、いわば「世界ブランド会議」のようなものが開かれました。ブランドの価値をデューデリジェンス(企業の価値評価)に反映するための試みで、ボクは当時の担当省庁に呼ばれ、日本の代表として定期的にヨーロッパ各国で開かれるその会議に出席をしていました。
数年を費やして議論を重ねたのですが、ブランドとは何か、という明確な定義を合意することはできませんでした。会議そのものは本当に楽しくて、実りのあるものでしたし、ボクの今の仕事の糧にもなっています。国によって考え方や価値観が違うところ、あるいは共通する部分など、各国のトップレベルの実務家と議論を戦わせることはとても勉強になりましたし、刺激的でした。
ちなみにその会議での経験を経て現在、ボクはボクなりに「ブランド」の定義を、明確に自分の中に持つことが出来ています。ふふふ。
さて、「ブランド」の定義もさることながら、「ブランディングとはなにか?」という問いに対する答えはいくつかあると考えています。
「ブランディングとはデザインである」という特集をあるデザイン専門誌がだいぶ前に組みましたが、その数年後に自ら、ちょっと間違っていました、という特集を組んでいました。とはは…ブランディングとはデザイン、ではないです。いやはや。
一つの解は、シンプルに言えば、ブランディングとは「一円でも高く、お客様が喜んでお金を払ってくれるための企業努力」です。これが、ブランディングに携わる者が根源として理解しておかなければならない最も大切なディフィニション(定義)ではないかと思います。
目立つ。かっこよくなる。話題になる。などはすべて「手段」であって目的ではないのです。
機能の優位性だけではブランドになれない。話題性だけではブランドになれない。見栄えがいいだけではブランドになれない。ですよね。
では、どうするか?「一円でも高く、お客さまが喜んでお金を払ってくれるためにはどうしたらいいのか?」を考えましょう。
それはおそらく一過性ではなく「長期間にわたって」お客さまとの付き合いが続くことが、もっとも解に近くなることに気がつくはずです。こうした問いかけをぐるぐると回すだけでも一歩前進です。分からない時には、ご連絡ください。わはは。
写真は数年前のローマで撮ったものです。あたりの喧騒に惑わされず、じっと手元の仕事に集中をする。この写真は、ボクにとってのある意味「座右の一枚」です。
さて、まだまだ Stay Safe ! でまいりましょうね。そして Be Positive ! な毎日に。世界に目を開き、未来を担う子どもたちに誇れる価値観と世界をつくっていきましょう。
ピース!