top of page

Branding における”オリジナリティ”とは


*Photo; Minami Apyama, Tokyo


個人的には「オリジナリティ」と言う言葉にはあまり近づかないようにしています。この言葉には、なんだか実態よりも崇められすぎている政治家のような胡散臭さを感じてしまいます。ごめん、「オリジナリティ」。わはは。


そう言えば、政治家を「先生」と呼ぶのをみんなで辞めるとだいぶ景色も変わると思うんですよねえ。言葉が態度を作りますし、なにより「先生」じゃないし。

敬愛していたボクの爺さんは「いいか、先生って呼ばれるようになったら人間おしまいだからな。気をつけろよ」と、幼いボクを膝に載せて教えてくれましたが、まさにそうですよねえ。言葉は怖い。あ、本物の学校の先生は別、ですよ。もちろん。


話が脱線しました。


さて、「オリジナリティ」。広義で言えば、6歳の子どもがドラえもんのイラストを描こうと思って引いたラインは、もうオリジナルです。それは他の誰も真似できないものですからね。

そんなの屁理屈、って思うかもしれませんが、ボクが今回しつこいのは、ビジョンやミッションの開発過程において「オリジナリティ=それは当社だけでしか言えないことか」にこだわりすぎると、どんどん窮屈になってしまって本来の目的を逸脱してしまうことを伝えたい。視点を自由に、広く持つことがとても大切だと思うからなんです。


わかりやすい例が、ユニクロで有名なファーストリテイリングさんが目指す姿として掲げている、ステートメント「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」です。

ふむ、確かにユニクロってこんな感じだなあ、となんとなく合点が行く人が多いのではないでしょうか。では、この言葉、ユニクロでしか言えないでしょうか?


例えば、コム・デ・ギャルソン。服を変え、常識を変え、世界を変えようとしている感じがします、よね。あるいは、ヨージ・ヤマモトもそうです。シャネルも、当時は喪服にしか使われなかったブラックの活用や、コルセットなど体を締め付けるデザインからの解放など、常識を打ち破る提案によって女性のあたらしい世界を開きました。

てか、こうやってよくよく見ていくと、ファッションブランドの創始者の多くは、同じような思いを描いて、ファッション業界に飛び込んできたのではないでしょうか?という気さえしてきます。

ファッションは戦っています。いいですよねえ。ヨージさんが「これからの日本を作っていくのは付加価値、それはファッションだ」とおっしゃっていましたが、がんばれ、ファッション!広告やブランディングは戦っているのか!?なんて、また話が脱線しましたが。


このように「目指すところ」は差別化なんていらないんです。

それよりも、どこで「そのブランドらしさを出すか」を考えましょう。


先程のいくつかのファッションブランドの例で言うと、

・素材や価格

・時代へのアンチテーゼとも言える色使い

・デザインの再構築

など、「どうやって行きたいところに行くのか」への具体的なアプローチの部分にこそ、ブランドのらしさ、が出てきます。

それは、今持っているノウハウ、技術、人材に根ざした「ファクト」からしか出てきません。


達成したい夢、それを実現するための具体的な手段。つまり、ビジョンとファクトを組み合わせる視点を持つことが大切になります。

ボクがお手伝いしたブランドたちもこうした視点から価値の再構築をし、ひろく世の中に受け入れていただくようになりました。


今日の写真は少し前の、南青山のコム・デ・ギャルソンさんのショップです。美しい。そして、戦ってる感じ、しますよね?ボクの写真で、それが伝わるといいのですが。バイブです。


さて、まだまだいろいろとストレスを感じやすい毎日が続きますが Stay Safe & Be Positive !で参りましょう。ボクが爺さんから聞かされたいろいろなビジネスの金言もそのうちご紹介できると嬉しいです。ほんと、前向きで面白いんです。

世界がポジティブな空気に満たされますように!ピース!


© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Ishizawa
bottom of page