
Photo; Firenze, Italy
SDGsやパーパス経営など、社会との共創を軸にした企業経営が大切な世の中になってきました。「企業の役割は利益の向上とそれによる株主への還元である」ときっぱりと言われていた20年ほど前からはだいぶ様変わりをしたものです。
もちろん、今もってしても、利益の向上こそが第一の目的である、という企業体も多くあることだと思います。実際「SDGs的」な考え方のブームは社会貢献、メセナなど言葉を変えて何度もやってきては、比較的短期間のうちにフェイドアウトしていたことも事実です。
それでも今回の流れを一過性のものと捉えると、企業存続にとって大きな禍根となりそうです。
それは、今までとは消費者(本来は生活者、と言う言葉をボクは好んで使いたいのですが、この項ではより経済活動での役割をわかりやすくするために、消費者という言葉を使うことにします)の意識が大きく変わってきているからです。
これまではある意味、”対岸の火事”のようだった環境へのダメージや行きすぎた利益至上主義による弊害が、自分ごと、として捉えざるをえないような毎日の中で、消費行動が、特に若い人たちを中心にして変わってきています。
平たく言うと「人の迷惑顧みず、自分の儲けにばかりに執着して、社会全体の未来への視点が欠けている会社」はかっこわるい、ということです。
もちろん「安けりゃいいじゃん!」「環境破壊って、言われてもねえ」という考えをもつ消費者も多くいると思われますが、上述した若者たちの考え方、行動の変化のうねりは、企業にとっては「優良な人材の確保」という形で中期的な企業存続力にも影響を及ぼします。
とは言え、闇雲に「地球の未来のために」とお題目のように唱えていても、競合会社との差別化が難しいのが現実です。
「どう」考え、「どう」行動を起こし、「どんな」関わり方を社会に対して提示するのか、を明確にすることが大切です。
この道筋をしっかりと考えないと、時代の流れの中で埋没し、自らの存在意義を見失うことにもなります。
ただ、順目で考えても、おもしろくないものになってしまいがちです。そこに「自分たちらしいひねりやカラー」を入れたいですよね。それが、コンセプトの開発、です。一度、今ある有形無形の「事実」を「概念」として昇華させる作業です。
今あるものを正面から見るだけではなく、上下斜めから眺めてみる。そうすると、四角いと思っていたものが丸く見える。赤いと思っていたものが緑色に見える。そんなことが起こります。
ぜひ、楽しんで、肩の力を抜いて「自分たちは一体どこからきて、どこへ向かいたいんだろう」「私たちって、いったい何もの?」そんな感覚でディスカッションを始めてみるのもいいかもしれません。
写真は、興味津々、どきどきわくわく+いたずら心満開で大道芸人に見入るフィレンツェのこどもたち。
次の瞬間には何が飛び出すのでしょう?コンセプト探しって、まさにこんな感じ。ボクもいろいろなプロジェクトをお手伝いする中で、コンセプトづくりのステップが一番楽しいかも、です。
さあ、ぜひ世の中を楽しく驚かせちゃいましょう!
まだまだStay Safe ! ですので、リラックスしながらBe Positive!にいろいろと妄想を膨らませてください。そこで浮かんできたものが、そう、「あなたの存在」という事実だけが生み出せるコンセプト、です。