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Recommendation からSuggestionへ 〜 ブランド下剋上の予感


*Photo; Waikiki, Hawaii


ブランドと呼べる存在かそうでないか。ボクなりに感じるいくつかの基準の中に、

・社会を啓蒙する存在であるか

というものがあります。


「啓蒙」と聞くと、え?と思われる方もいるかもしれませんが、よくよく思い起こしてみれば、Appleにしても、ルイ・ヴィトンにしても、だれもが「これぞブランド!」と頷く存在は、時代時代において「え、そうきますか?」と思うような新しい価値観を世の中に提示しています。


わかりやすい例で言えば、iPhoneのスワイプ・アクション(スマホの画面を指でシュッとやるやつです。衝撃でしたよねえ。その前に、iPodのカチカチした感触を演出までしたダイヤル・セレクトもありました)に「なんじゃこりゃ?」と驚き、ルイ・ヴィトンのストリートファッションとのコラボや、何十万円もするバッグの上にイラストをペイントする、なんて所業に最初は「わきゃー!」と感じた人も多かったのではないですか?

それでも、それらは今やスタンダードとなり、競合各社も同じようなアプローチをしれっと行うようになりました。


Appleやルイ・ヴィトンが行った上記の事例は、商品やサービスを通して、いわばブランド側の敷地内で行われていることを、生活者が見て、触れて、判断し、気に入ればその提案に乗る、というある意味イーブンな、対等な立場での価値の等価交換みたいな感じでした。


ブランド側もリスクを取りながら世の中に提案をする、というなんだか潔い、というか、気持ちの良い啓蒙活動がそこにはありました。もちろん、そうした提案には乗らない人たちもいて、それはそれでフェアな関係性でしたよね。


今、生活者と企業側の関係性では、この「提案活動」がとてもしやすくなっています。それも、ごく直截的に。


ほとんど全ての顧客がスマートフォンを持っていると想定してもよい現代は、かつてないイージー・コミュニケーション環境にあります。良いか悪いは、は別として。


そこで行われているのは、通信のアプリケーションを使って顧客との接点を恒常的に持つ。これがファーストステップ。その上で、さまざまな情報を顧客に提供していく。これがセカンドステップ。そして、顧客へ「Recommend=おすすめ」をする。これがサードステップ。そして今、あるいは今後強くなる傾向としては、Recommend からさらに押して「Suggestion=提案」。うーん、提案という日本語ではちょっと弱いな。「これ、いいでしょ。使ってみてね」的に、ずかずかと上がり込んでくる活動になってきています。


時に、ボクはAmazon musicのそんな(彼らがいう)リミックス機能に嫌気が差して退会しました。Amazonの担当AI(?)のリミックスセンスがどうにもボクの好みと相容れない(個人の感想です)のに、顔色も変えずに(当たり前)「これ、キミ、すきでしょ、聴いてみてよ」と推してくるのがストレスで。わはは。

ジェフ、悪いけど、君の後継者たちは君が築き上げたお城を少しずつ崩しているようにしか、ボクには思えないよ(個人の感想です)。


せっかくのコミュニケーションの機会をどう活かすか。これからはブランドのセンスが試されます。

センスってなんだ?というのは、いろいろと言われるところですが、ボクがここでいうセンスとは「わきまえるセンス」ですね。

なにも、すごいものを創り出せ、ということではないです。


上述のAppleやルイ・ヴィトンのように「自前の庭先」でやることと、「顧客の庭先」でやることの区別をつけることがその一。

そして、提案(コンテンツ)の適性を、その強度も含めて周到に構築すること。脱落ユーザーがいるのは止むなし、というアティチュードは、それほど遠くない未来にそのブランドの足元をすくいます。

逆に、センス良く、このコミュニケーション環境を使うことができるブランドは安定したファンを増やすことになりそうです。


どうしてもパソコンの画面越しに数字ばかりを見ていると、いろいろと試して結果がいいものだけ採用していきましょう、なんて乱暴なコミュニケーションの取り方が普通になったり、ある種の過信から、自分たちの都合優先の企画になりがちです。


アプリケーションの企画と設計は、ぜひ『ブランドの価値観』が感じられるものにしていってください。ピンチはチャンス。チャンスはピンチ!です。


さて、今日の写真は、先月久しぶりに訪れたワイキキでの写真です。

海岸でぼーっとして、飽きもせず波と戯れている世界中から集まった人々を見ていると、やっぱり人間にとって最強のコンテンツは自然、なんだなあ、なんて実感します。敵いません。大切にしましょうね、地球。



帰りの飛行機に乗り込み、シートベルトを閉めた途端に一瞬のシャワーとなり、その後に見事な虹がかかりました!「またおいで!」と言ってくれているようで、にこにこにこ。


さてさて、まだまだ暑い日々が続きますが、Stay Safe & Be Positive!で面白いこと、楽しいこと、価値のあること、世の中に生み出しましょう。

そして、この地球を大切に!!ピース!



© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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