
*Photo; Okinawa
「ブランディングのデザインとはマークやパッケージ、あるいは広告などの狭い意味でのデザインではないのです」と言い続けているボクですが、今日はその狭義のデザイン – 中でもカラー − についてお話をしてみましょう。
デザインという観点で言えば、マーク以上にブランドの差別化に役立つのがカラーです。エルメスのオレンジやティファニーブルーと言われる独特の色合いが、その包装紙を遠目で見ただけでもブランドの存在を明らかにします。
単にメインとなるキーカラーを決めるだけではなく、周辺に使うカラーや、その役割や全体で見た場合の色合いの比率などをルール化してあげることが大切で、それを「カラーシステム」と呼びます。
以前お話ししたAVEDAなどもカラーシステムを上手に運用してブランドの世界観を作り上げている好例ですね。
スターバックスも、キーカラーである例の深みのあるグリーンを中心に季節ごとのカラーを決めて、つねに「スターバックスの世界」を演出することに成功しています。
なかなか日本でイケてるブランドが生まれないのは、カラーシステムをうまく機能させることが苦手だから、というのがボクの見立ての一つです。
最近では、さまざまな日本企業でも「デザインシステム」を採用するようになりつつあります。
例えば携帯電話各社の色。それぞれのキャリア会社の色、なんとなくイメージができませんか?赤やオレンジや白やピンク。でも、それぞれのホームページを訪れて情報を追っていくと、全然違うカラーが見えてきます。
携帯電話会社にかぎらず、キーカラーらしきものを決めている会社でも、細かいところでは色使いはバラバラ。あげくは、競合であるはずの会社のカラーと見間違えるような色使いをしている販促物に行き当たることも珍しくありません。
つまり、キーカラーは決めているけれど、「システム」として使いこなせていないのが、現実です。
先日、あるウェブ開発の方と話をしていたら、「外資の担当の方は、とにかく決められた色の中でさまざまな検討とトライをしますが、日本の会社の方はレスポンスが悪いとすぐに、たとえば価格訴求なら赤と黄色!というようになってしまうことが多い」という話をされていました。
身に覚え…ないですか?
どうしても「部分最適」になってしまうのが、どうやら多くの日本企業のデザインコントロールの傾向のようです。
集客やレスポンスなど、結果をすぐに求められる日常だと目先の数字に流されてしまうのはわかりますが、そこで辛抱しないとやっぱりブランドって出来ないんです。
一方、海外のブランドにおいては、販売担当者よりもブランド担当者の発言力の方が強いことが多いです。
瞬間的な売り上げを上げても、中期的な目線でブランドを毀損することを回避しようという姿勢があります。
写真は、先日久しぶりにお邪魔してきた沖縄の海の色!です。これも一つの“ブランドカラーシステム”ですね。こころ洗われてきました〜。
この時期に妙に日焼けしてしまい…なにやらモゾモゾ気分ではありますが、とにかく!毎日、Stay Safe & Be Positive!で参りましょう。
ピース!