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Speakeasy でDigital Contradiction (デジタルがもたらす矛盾)について考える


*Photo; Firenze, Italy


最近ふと、面白いことに気がつきました。みなさんもきっと経験があるのではないかと思います。それは、便利でスピーディ、人的接触を減らすことができるはずのデジタルの恩恵で、ヒューマンコミュニケーションが増えているシーンがそこここに、ということです。


あらゆる支払いの場面で、デジタルを活用したキャッシュレスや、顧客サービスの拡充が図られているわけですが、それにより、アナログな会話量が増えていること、ないですか?

「クーポンはお持ちですか?」「会員登録はおすみですか?」「支払いは何にしますか?」「支払い回数は?」「こちらにかざしてください」「あ、ピッと音がするまでかざしてください!」


最後の一言はボクがせっかちなのが悪いのですが、いずれにしろ、「1,980円です」「はい(大概は無言)」「20円のお返しです」という現金支払いに比べると、かなりの会話量です。実際の会話では、上記の合間に「XXは使えますか?」だったり、時々アプリが立ち上がらなくて店員の方と曖昧な笑顔を交換する数十秒もあったりして、なかなかものです。


さて、理想なデジタル環境とは誰とも会話をせず、買い物がすむ世界なのでしょうか。流通大手の店頭ではそうした試行が進んでいますし、通販は一つわかりやすいケースです。そうした世界が魅力的かどうかはひとまずおいておいて、コールセンター、そしてもちろん配送業務などの人的作業は増加の一途です。

長らく言われてきている未来像の一つとして、デジタルやロボットにより、これからの人間はより付加価値の高い、創造的な仕事に集中できる、というものがあります。


一方で、これまでの産業革命と違って、デジタルによる産業構造の変化によっては、残念ながら経済規模そのものは拡大をしない、との研究もあるようです。


当初の想定とはちがった現実。それをDigital Contradiction (デジタルによる矛盾)と呼びたいと思っています。


さてさて、本題はこれからです。


簡便さや、マネタリーの競走軸での優位性を獲得するためのツールとしてしかデジタルを理解しない事業者は立ち遅れることとなります。 有力なビジネスコンサルの間でも、これからのビジネスを牽引するキーワードとして取り上げられているのはヒューマニティー(人間性)の回復であり、そこではデジタルはある意味すでに優位性ではなく、前提としてのツールとして存在をしています。


無機質なデジタルによるヒューマニティの再発見・再活性化がなされるのであれば、そのちょっと意外なDigital Contradiction にはワクワクさせられます。ある意味「温かなデジタル」の登場ですね。もちろん感情がわかるAI ロボット、なんてありきたりなことではなくて、さりげなく、生活に根ざした柔軟な視点と発想が大切です。


さてさて、禁酒法ではないですが、東京でも飲食店でのアルコール提供がさらに制限されてくるようです。写真は、フィレンツェのバーでの一枚です。みな、元気かなあ・・・考えると胸が苦しくもなります。

禁酒法時代には、マフィアの力を強めるなどの強烈な副作用もありましたが、一方でSpeakeasy (スピークイージー)と呼ばれる闇酒場ではカクテルが生まれたり、ジャズの進化なども起こりました。

制約を逆手に取って何かを生み出す!楽しみながらできるよう、今日も Stay Safe & Be Positive ! で参りましょう。

© Copyright 2010 d.d.d. inc. & Akihiko Shaw Ishizawa
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