SHAW BOOK

『ぴよぴよビル』で言葉について考える。


*Photo; Ginza, Tokyo


言葉の力、大切さについては何度か触れていますが、最近それに関するちょっと面白い話を知人から聞いたので、おすそ分けさせてください。


ビルの名前って、いろいろありますよね。特に雑居ビルやアパート。街を歩きながらビルの名前を眺めてみると、それだけで結構楽しいです。土地名やオーナーの方の名前を冠したものも多いですが、ときどき「なんでこの名前?」というものもあります。

そんな話をしていたら、友人から「やたらと可愛いビル名の背後には深いわけがある」という話を聞きました。なんだと思います?


いわゆる反社会勢力や怖い人たちは、可愛い名前のビルやアパートには入らないようなのです。


なにかのトラブルに巻き込まれて、怖い人に「おら、お前!事務所来いや!」なんて言われて、「は、はい…どちらに伺えば良いでしょう」「第二ぴよぴよ館や!」って言われたら、ぷふ、ってなりますよね。「三階のくまさんルームや!となりにアライグマさんルーム言うのあって、名前似てるけどちゃうからな、間違えんなよ!」なんて言われた日には「…ぷふふ、はい…もう行かなくていいかな」なんて気持ちにもなりそうです。


こうしたトラブル(?)を避けるために、そうした方面関係の方は可愛い名前の建物には入居したがらないとか。なるほど、すごい。


ビルの名前に限らず会社や商品、サービスに名前をつけるネーミングの仕事は、言葉の力の一つの集約形です。その背景にはいろいろな思惑があるわけで、 通信、食品、ファッションなど、本当にいろいろなネーミングのプロジェクトにも関わらせていただいてきていますが、ひとつとして同じ思考の道筋で解決策を見出したことはありません。


ついつい立派な名前をつけたくなるものですが、力みすぎるのも要注意です。世界に羽ばたく会社を作りたい!と意気込んで、とにかくかっこいい言葉を重ねて『グローバル・インターナショナル・ワールドワイド・ジャパン』って名前にしちゃったら、ちょっと怪しい、ですよね。言葉って不思議なものです。


広告業界のご意見番として、長く広告批評を主宰されていた天野祐吉さんがかつて「貧しい言葉で豊かな明日を語るくらい、人々をシラけさせるものはない」という至言を残されています。


最近、日本のリーダーの言動に対して「言葉が伝わってこない」なんて論評もよく聞きますが、ちょっと優しい意見だな、とも思います。

言葉はWHAT と HOW からできていて、HOW(=どう言うか)ももちろん大切ですが(「伝え方が何割」なんて本もヒットしましたけど、ね)、やっぱりWHAT=何を伝えたいか、が大切だと思うのです。

おそらく、いろいろと批判されている方は「何を言いたいか」が明確になっていないのではないかと思います。少なくとも、しっかりと大っぴらに言えることが。わはは。


ただ、かばうわけではないですが、このWHATを明確にするのは意外と難しい。ボクもブランディングのプロジェクトにおいては、この部分、つまりクライアントさんが「何を伝えようとしているのか」を掘り下げて探し出すことにもっとも大きな時間を割きます。セッションを繰り返していくうちに、クライアントさんが「ああ、そうです!それが言いたかったんです!」というところまでが、ブランディングにおいては8割、という感じですかね。


写真は、東京数寄屋橋にある「若い時計台」、です。大阪万博の際につくられた「太陽の塔」で有名な岡本太郎さんの作品で、太陽の塔よりも数年前に作られた「お兄さん」です。

先日通り掛かったら、こんな‥ことになっていました。「明るい未来」かあ。すごいなあ、なんだか‥。


さあ、Stay Safe & Be Positive ! でがんばりましょー!

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